子供の筋力トレーニング
小学生のスポーツに関わる保護者にとって、強くさせたい理由から子供に筋力トレーニングをさせようか?と考えるかたもいらっしゃるかと思いますので、参考にしてもらえたら幸いです。
一般的に「子供に筋力トレーニングはよくない」「背が伸びなくなる」などを耳にすることもあります。それでは、成長期までの筋力トレーニングは行わない方が良いのかというと、答えはNOです。
筋力トレーニングが子供や成長期の男女の発育を遅らせるという科学的根拠は現在認められていません。むしろ、適度な負荷は成長ホルモン分泌の促進、骨の成長促進、心肺機能強化等ポジティブな効果が報告されています。
筋力トレーニングよって、パフォーマンス向上・ケガ予防・成長促進などの効果に期待が持てますが、子供の成長や発達段階に応じて筋力トレーニングを行うことを推奨します。
筋力トレーニングを始める年齢
子供の年齢によって筋肉に刺激
未就学児・小学生低学年(〜8歳)
特に筋力トレーニングは必要ありませんが、遊びを通じて身体を動かすことが重要です。柔軟性やバランス感覚を育むための遊びや活動(遊具での遊び、ダンスなど)の中で自重の負荷がかかり、全身を使った運動により自然と必要な筋力が刺激を受けて少しずつ筋肉となっていきます。
素早く立ち上がり走る、左右のステップや走ったあとに止まるといった動きも直線的な動きだけでないので推奨しています。
小学校中学年(9〜11歳)
特定の筋力トレーニングを取り入れることが可能ですが、軽い負荷での自重トレーニング(腕立て伏せ、スクワットなど)や、バランスの取れた運動プログラムを行います。この時期の子どもの筋力トレーニングは、1週間に2回程度を目安にし過度な負荷を与えないようにしましょう。
小学校高学年・中学生(12〜15歳)
軽いウェイトトレーニングを始めることが可能ですが、身長や筋肉が急激に成長する時期であるため、過度な負荷は避けましょう。個々の体格や成長段階に応じたプログラムを設定し、鍛える部位を変えながらトレーニングを行い、週に2.3回を目安にし筋力トレーニング後は一日あけるようにしましょう。
高校生(16〜18歳)
多様なトレーニングが可能になります。器具を使用したウェイトトレーニングのプログラムを導入し、適切な指導のもとで行うことが推奨されます。競技の専門性による筋力トレーニングによりパフォーマンス向上が期待でき、ボディバランスを考えて取り入れる事で体の成長にもプラスに働くことが多いです。
器具をつかった負荷のかけ方により、様々な効果のあるトレーニングが出来るようになりますが、負荷や姿勢次第ではケガもするので、専門の知識を持ったトレーナー指示の元に筋肉をバランスよく鍛えましょう。通常のトレーニングでは身につけることが難しい部分の強化や、身体全体のバランス力をアップするために筋力トレーニングを有効活用しパフォーマンスアップできるようにしましょう。
成長期の筋力トレーニング
子供の筋トレ注意点
筋トレをやればやるだけ筋力アップするとう考え方は、間違った考えです。子供の能力は、基本的に成長発達の段階に左右されるものであり、大人と同様のメニュー用いても子供では同様な効果が得られないと考えるべきです。
成長ホルモンへの影響
筋力トレーニングが成長に悪影響を与えるという懸念は一般的にありますが、適切なトレーニングを行えば、そのリスクは低いとされています。むしろ、筋力トレーニングは身体の成長や発達を助ける要素となることが多いです。
楽しさを重視
子供がトレーニングそのものを楽しむことが、長続きさせるために重要です。競争心を煽り過ぎるのではなく、楽しさや達成感を重視しましょう。遊び感覚で競いながらちょっとした負荷のかかるメニューにより、子供たちにとってはより良い刺激を受けるでしょう。
バランスの取れたアプローチ
筋力トレーニングだけでなく、柔軟性や持久力を高めるための運動も取り入れ、全体的な体力向上を目指すことが望ましいです。座った状態・寝た状態から立ち上がって走りだすなどのメニューでも、速さや立ちかた次第では筋肉に刺激を与えることもできます。子供にとっての筋力トレーニングは、適切に行えば成長に良い影響を与える場合が多いです。年齢に応じた適切な方法で取り組むことを目指しましょう。
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