いい指導者の特徴

いい指導者の特徴

あなたにとって良い指導者とは、どんな人のことを指すでしょうか?
プロ組織のトップアスリートに教えるコーチと、まだ習い事を始めたばかりの子供が同じ条件のコーチを必要とすることはないでしょう。おそらく良い指導者とは「指導者に求める要求」によって様々だと私は思います。

子供にとって良い指導者の特徴

1.コミュニケーションが取れる指導者

これはどんな環境であっても、「教える側」と「教えてもらう側」のコミュニケーションが取れないと伸ばすことは難しいでしょうね。練習中の表情を見たときに、「今日のコンディション」を把握して、練習メニューに変化を加えることだって非常に大事となります。

最近の状況を聞いて、悩みや問題点の有無を引き出す話や、練習・試合中に指導者目線でプレーについて話をしてあげられる指導者ならば、きっと子供は自分のことを考えてくれているんだと思い、指導者との信頼関係も深まりますよね。指導者からだけの一方的な要求をする指導だけでは効率よく成長できないでしょう。

指導者や先生と呼ばれる人は、子供の人生に大きな影響力もありますので、やはり適切に対応できるコミュニケーション能力は不可欠であり、コミュニケーションが取れる指導者の方がいい指導者となりますね。

2.オンオフの切り替えができる指導者

グラウンドでは厳しい指導者としての顔、グラウンド外・練習時間外では楽しい指導者としての顔を使い分ける事ができないと、常に厳しく接していては子供たちは圧迫感を感じ、指導者と言葉を交わすことも少なくなっていくでしょう。
一番良いのは、子供と一緒に笑顔で遊ぶこともできる一面と、グラウンド内では厳しいことを平気で言える関係にあることではないでしょうか。

3.褒めてやる気を引き出す指導者

指導者の中には、一方的にやらせるだけの人が存在します。残念ながらこれでは、判断力を必要とするスポーツの中では成長することは難しいだけではなく、子供のやる気ダウン、楽しくないことから辞めてしまう事だってあるでしょう。

子供は伸び代満載で好きだから指導を受けに来ているとともに、今は出来ない部分がたくさんあるのです。出来なくても叱るのではなく、褒めて伸ばす方が良い場合が圧倒的に多いです。自分を褒められて嫌になる人ってあまりいないでしょ?

子供たちは、出来たことに関してはたくさん親にも言ってきますよね?
そこを否定するのではなくて、まずは聞いてあげると共に、出来たことを認め褒める事が大事であり、「じゃあ次はこうしよう」と出来なかったことに関して修正するアドバイスを与えた方が気持ち的にも「次も頑張ろう!」ってなりますね。

プレーに関して「何でそうなる⁉︎」「それくらいも出来ないのか⁉︎」って声を聞いた事がありませんか?出来ないことにばかり目がいきすぎていて、否定的な言葉の連発…プレーしてる人もそうですが、周りにいる人も良い気分にはならないでしょ?
ミスも分かりつつポジティブな声かけができる指導者の方が、プラスになると私は思います。最高のパフォーマンスを引き出すことが指導者の役割なのです。

注)ただ褒めるだけで、修正点を言ってあげない指導者はダメですからね(笑)

アスリートにとって良い指導者の条件

1.練習の意図・内容・シーン想定をメニューに取り入れる

アスリートにとって練習内容というのは非常に重要。自分たちのチームが試合を想定した上でやりたい状況・起こりうる状況・実際の試合中に起こったシーンの解決策を取り入れた練習内容にした方が効率が良い。しかも、その練習内容について事前に説明を行い、何のためにやるのか状況を伝えた上でプレーさせる方が選手たちも「頭で理解→プレーで表現」しやすくなる。逆に、納得できないまま強制的にやらせても練習効果が低くなるでしょう。

2.個性を分かり長所を伸ばせる指導ができる

当たり前だが全員が同じ能力ではないし、それぞれに長所・短所が必ず存在する。育成期のチーム練習では、全員が同じ内容の練習をすることは珍しいことではないが、その中でも個々に合ったスキル・プレースピード・長所を活かし上達できる個別のアプローチが必要になる。
短所の課題克服について練習をすることも大事なことだが、長所を伸ばし誰よりも優れた部分の成長を楽しみにした方が、アスリートにとっては自分らしさを発揮できるので、「平均的な選手」を育てるよりも個性を認めた上で能力アップさせた育成にしたが良い。

3.プレイヤー目線でアドバイスができる指導者

アスリート育成にとってプレイヤーとしての感覚は非常に重要。指導者の中には、実際にプレーしたことのないスポーツでも熱心に勉強をして教えている指導者もいる。しかし、プレイヤーでなければ相手との駆け引きや、予測・心理状態などが常時変化する状況を知らない指導者では、教えることのできない領域は必ず存在してしまうのが、見ているだけではわからないスポーツの楽しみの一つだろう。
実際に一流選手のプレーをテレビや動画で見るシーンは多いでしょう。最近では観戦者の見る目も養いボールスピードの速さや動きの速さなど、見ているシーンが増えるほど「当たり前」という感覚のレベルが上がってしまう。
では、テレビカメラの位置であなた達のプレーを動画で見た人がどれほどいるでしょうか?実際にやってみるとわかるのでしょうが、想像以上に遅いと感じる人がほとんどでしょう。一流選手だけの中で自分がプレーしてみれば、全てのスピードが次元違いな事に気づくでしょうが、まずそのような機会はないので、撮影してみてはどうでしょうか?

指導者は、選手目線で考える事ができなければ良いアドバイスができない。外から見た状況と、プレイヤーから見た状況は違うでしょう。もちろん、多角方面からの視野があれば話は違うが、プレイヤー目線でのアドバイスが指導者には必須である。

4.答えだけを与えるのではなく方向性を導く指導ができる

成功・失敗という結果が出る。ミスしたであろう事象について、その答えだけを指摘している指導者はいませんか?試合中ミスをしてしまい指導者から、「◯◯が出来てないからだ!」「●●しろ!」と言われた選手本人はどう感じるでしょうか?
まずは、本人の意見を聞きどのような状況判断があってミスをしたのかを検証しなければいけません。一方的に、指導者がミスの原因を言っても成長には繋がりません。むしろ、「違う!その状況ではない、今のは△△△だったから…」と別の見解があった際に、反発意識の方が芽生えてしまい指導者との信頼関係の悪化も考えられる。そして何より「判断力」という、選手の選択肢を一方的に決めてしまっている状況になってしまう。

「コーチは、今のは◯◯だったと思う。だから◯◯◯した方が良いよ」「●●●する選択肢もあったかな」などと声をかけてください。そして選手自身に「どんな状況に感じた?」「次はどんな方法を選択する?」と話を聞いてから、アドバイスをした方が効率がいいし、「答え」をすぐに出すのではなく、そうするための方向性を導き出すのが指導者の役割でしょう。

5.スポーツの鍛錬の中で人間性を育てる指導者

一流のスポーツ選手が人間性までも一流とは限らない。スポーツだけを熱心にやっていれば良いわけではないし、むしろスポーツをやっているからこそ注目を集めることも多くなる場合もある。忍耐力も養え、努力過程や結果が出た後の振る舞い方、仲間との信頼関係など、様々なシーンでひとりだけでは出来ないことを実感するでしょう。「自立心」「協調性」は、スポーツには不可欠であり、その人間性を育てることでプレイヤーとしても大きく成長する部分は多い。
自分はしたくない、他に誰かがやってくれるから自分はやらなくて大丈夫との思いから、準備や片付けから逃げようとする選手がいた際に、その場にいるなら絶対に指導者が言わなければいけない。
「ゴミが落ちていたら拾う」「自分たちが利用したスペースに忘れ物があれば持ち帰る」「仲間が喧嘩をしてたら仲裁に入る」などなど、昔の日本ならば「道徳」として扱われていたような「当たり前」のことも、学校では教えてくれない時代にあるからこそ、スポーツの現場で指導者が教えていかなければいけない。

そして、上達するコツの中で一番大事な、「素直な子」人間性をスポーツを通じて育てる指導者がこれからの時代は絶対に必要になってくるでしょう。

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